岐阜県文化財保護協会 -郷土の文化財を守り、子どもたちに伝えましょう-

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第8回文化財講演会を開催しました

2023年11月2日

令和5年10月27日(金)に、ぎふメディアコスモス みんなのホールにて第8回文化財講演会を開催しました。第1部演奏会では、弦楽演奏家の蒔田義信・純先生に「ヴァイオリン・二胡・フルスの協演!」と題して演奏していただきました。第2部講演会では、東京文化財研究所所長の齊藤孝正先生に「身近な文化財をどのように守り、伝えていくのか-日本の文化財保護の仕組み-」と題して、写真等の資料を示しながら講演いただきました。会員、一般の方、行政職員の方、高校生など約100名に参加がありました。

第1部 演奏会 「ヴァイオリン・二胡・フルスの協演!」 弦楽演奏家 蒔田義信先生 蒔田純先生

 蒔田義信先生は、ベトナムの日本人学校で二胡に出会い学ばれ、アジアの楽器を広く研鑽されています。今回は親子で協演していただきました。最初に蒔田義信先生に「琵琶湖周航の歌」など3曲を二胡とフルスで演奏していただきました。中国の伝統的な楽器である二胡と中国雲南省の民族楽器であるフルスの説明をしていただき、曲紹介も交えながら演奏を聴きました。深く哀愁のある素朴な音色が心に響きました。次に蒔田純先生のヴァイオリンとの協演で「翼をください」など5曲を演奏していただきました。親子での素敵な協演に感動しました。アンコールで、ひょうたんと竹で作られたフルスの演奏による「アメージンググレース」も聴けました。中国の伝統的な楽器の二胡とフルスについて知る機会となりました。

第2部 講演会「身近な文化財をどのように守り、伝えていくのか-日本の文化財保護の仕組み-」

         講師 独立行政法人国立文化財機構理事・東京文化財研究所所長 齊藤孝正先生

 考古学と日本陶磁のご専門で、文化庁での勤務が長かった齊藤孝正先生から日本の文化財保護の仕組みについて講演していただきました。明治期(仏教の災難)から戦前までの文化財保護の取り組み(特に文化財の所在・実態調査が文化財保護の出発点であること)、文化財保護法の制定から改訂までの取り組み、文化財の指定、岐阜県の文化財の画像をもとにした文化財の種類を説明していただき、文化財保護法や文化財を体系的にとらえることができました。また、文化財を誰が守るのかということについて国や地方公共団体の役割、国民や所有者の役割を分かりやすく説明いただき、それぞれの立場で考えることができました。文化財の修理の方法や現状、文化財保存のための技術とその課題、選定保存技術とその保持者の事例、保存修理に必要なさまざまな伝統技法についても話していただき、初めて知ることもあり、文化財保護の重要性とその難しさをとらえることができました。