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横浜・横須賀の現地研修会を行いました

2025年7月3日

 令和7年度宿泊現地研修会「横浜・横須賀の文化財を訪ねて」を開催しました。今年度は、横須賀市の国史跡「千代ヶ崎砲台跡」と横浜市の国名勝「三溪園」を訪ねました。参加者は43名。2日間とも天候に恵まれ、「三溪園」では通常非公開の「鶴翔閣」と「臨春閣」を見学でき、有意義な研修になりました。

1 期日 令和7年6月29日(日)~ 令和7年6月30日(月)

2 研修場所の概要

千代ヶ崎砲台跡:1892(明治25)年から1895(明治28)年にかけて、陸軍によって建設された東京湾要塞の一つです。東京湾要塞は首都東京の入口である東京湾周辺の防衛を目的に設置された要塞で、三浦半島及び房総半島の設置された32の砲台と3つの海堡(人工島)で構成されていました。2015(平成27)年に「千代ヶ崎砲台跡」と「猿島砲台跡」が「東京湾要塞跡」として国史跡に指定されました。千代ヶ崎砲台跡は2021(令和3)年から土日祝日のみ横須賀市によって一般公開されています。そこで、今回、戦争遺産の千代ヶ崎砲台跡での研修を計画しました。千代ヶ崎砲台跡は海抜65mの平根山に造られているので、バスを降りてからずっと上り坂で大変でした。個人差もあり、入口の柵門まで15分~30分かかりました。2グループに分かれて、ボランティアガイドさんの案内と説明で、地下施設の貯水所、棲息掩蔽部(せいそくえんぺいぶ)、弾薬庫、砲座を見学しました。焼過レンガと普通レンガの違いや、弾薬庫から砲座へ弾丸を運ぶ工夫、砲座の仕組みなどを教えてもらいました。千代ヶ崎砲台は訓練だけで実戦はなかったようですが、抑止力として重要な施設でした。日本の近代軍事や当時の最新の築造技術を学ぶことができました。

三溪園:佐波村(岐阜市柳津町)出身の実業家で茶人でもある原三溪が造園した庭園で、協会としてぜひ研修したい場所の一つでした。今回は、特別に非公開の建物で国重要文化財の「臨春閣」と横浜市有形文化財「鶴翔閣」の内部を見学させていただくことができました。「鶴翔閣」は原家の本宅として建てられ、文化サロンとしても使われていました。横山大観や前田青邨といった近代画家が滞在した客間棟や楽室棟、三溪家族のプライベート空間であった書斎棟や茶の間棟を三溪園の事業課長さんの案内でじっくり見学できました。「臨春閣」は、広い玄関棟から入り、第一屋から順に案内していただきました。欄間や障壁画、石垣張りの障子など数寄屋風書院造りの意匠が各所に見られました。第三屋の2階からは、旧燈明寺三重塔を見ることができ、風も通り、素晴らしい眺望でした。贅が尽くされてはいますが、華美にならず控えめな臨春閣の佇まいに三溪の思いを感じました。10人ほどのグループに分かれ、ボランティアガイドさんに御門から聴秋閣、旧天瑞寺寿塔覆堂、春草廬など内苑に配置された建物を案内していただきました。三溪園内にある待春軒で三溪そばのランチを食べ、9時から見学して、13時に帰路につきました。