相生座の地歌舞伎公演鑑賞
2016年11月4日
華やかな地歌舞伎の研修
彼岸花の咲く9月23日(金)、瑞浪市の芝居小屋である「美濃歌舞伎博物館・相生座」での、「美濃歌舞伎公演」(瑞浪市無形文化財)が、敬老公演と銘打って催され鑑賞の機会を得た。
曇天の中、曲がりくねった旧中山道を行くと、日吉辺りに色鮮やかな幟が林立し、期待感が高まる我々一行(38名)を迎えてくれた。小屋前の売店や受付では、呼び掛けの声もあり遠来の客も多く群がり賑々しくもあった。
早速芝居小屋(地芝居)に入った。明治中期の建築で、常盤座と相生座の複合移築復元いうが、板敷きの桟敷席に2本の花道があり、館内周囲には衣装や写真・資料・小道具なども展示されている。江戸から明治にかけての情緒たっぷりの小屋も、既に2階席まで満席の盛況であった。
外国人研修生の堂々の口上で幕を開け、午前十一時から、四幕続いて上演された。芸題は、①戎詣恋釣針(釣女),②三人吉三巴白波(大川端庚申塚の場)、③外郎売り(岐阜歌舞伎保存会)、④菅原伝授手習鑑(寺子屋ノ段)であった。中でも、釣女は役者・浄瑠璃語り・三味線すべてを子供たちが見事に演じきり、美女と醜女を釣上げてのユーモラスな展開を愉しめた。
同時に、伝統文化を地域ぐるみで伝承しようという住民の熱意や多くの支援があることが、代表者の挨拶や説明からも窺えた。そして、岐阜県の地歌舞伎をご当地で、劇場の関係者手作りの幕の内弁当をいただき、お捻りを投げながら、舞台・観客一体となって楽しめた心地よい充足感に満ちた研修であった。
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