第9回文化財講演会を開催しました
令和6年11月29日(金)に、ぎふメディアコスモスみんなのホールにて第9回文化財講演会を開催しました。第1部では「能登半島地震により受けた木造寺院建築の主な被害」と題して、亀山建設株式会社の亀山義比古会長に講演いただきました。第2部では「美濃流し仁輪加~地方に花咲く言葉の文化~」と題して、美濃市仁輪加連盟の豊澤正信会長に講演いただき、その中で美濃市仁輪加連盟の皆さんによる「一口にわか」と「囃」の実演もありました。会員、一般の方、行政職員の方など約120名の参加がありました。
第1部 講演会「能登半島地震により受けた木造寺院建築の主な被害」
社寺の新築や修復を行っている亀山建設は、能登半島地震後の1月17日から能登に入り、被害を受けた各寺院を回り、被害状況のカルテを作成し、応急措置に回られています。講演では、亀山義比古会長から、能登半島地震による寺院建築の被害について、大破、中破、小破、軽微の被害状況と応急処置について具体事例に基づいて話していただきました。柱の継ぎ手が外れた事例、石場建ての礎石から柱が外れた事例など被害状況やその原因、応急処置について知ることができました。古い時代の本堂は、しっかり建てられていて、意外に被害が少なかったようです。応急処置を行うことによって、修復の費用は抑えられますが、経済的に厳しい寺院も多く、修復は大変であり、今後の支援が必要になってきます。能登では9月の豪雨災害、11月の余震などにより、被害が大きくなっています。寺院の地震被害や対応のあり方について学ぶなかで、今後の支援や地震への備えについて考えていかなければならないと感じました。
第2部 公演「美濃流し仁輪加 ~地方に花咲く言葉の文化~」
美濃流し仁輪加は国選択文化財・岐阜県重要無形民俗文化財で、美濃市仁輪加連盟はその保護団体として半世紀以上にわたって活動されています。公演では美濃市仁輪加連盟の豊澤正信会長から美濃流し仁輪加の始まりと美濃町を含めた歴史、美濃流し仁輪加の特徴(落、口上、エッキョウの意味、囃など)、にわかコンクールについて、具体的に詳しく説明していただきました。美濃市仁輪加連盟の皆さんによる囃や一口にわかの実演もあり、豊澤会長の話芸に引き込まれ、美濃流し仁輪加を詳しく知ることができました。若衆が着る半纏の社名のいわれを聞き、最後に戻り囃の演奏があり、楽しい時間をすごすことができました。美濃流し仁輪加は、4月第2土・日曜日の美濃まつりの宵に「うだつの上がる町並み」で開催されます。ぜひ参加したいものです。