大垣の現地研修会を行いました
令和7年10月1日(水)に県内文化財現地研修会「大垣の文化財を訪ねて」を行いました。今年度は、大垣市の大垣城跡、大垣船町川湊、奥の細道むすびの地記念館、お茶屋屋敷跡、昼飯大塚古墳を訪ねました。57名の方に参加していただきました。雨が降ったり暑くなったり天候が安定しない一日でしたが、充実した研修会になりました。
研修の概要
大垣城跡(大垣市史跡):鉄門跡から本丸に入り、石垣、東門、明治29年の大水害点、おあむの松(おあむ物語)などを美濃文化総合研究会の鈴木会長の案内で詳しい説明を聞きながら見学した。昭和34年再建された天守は自由に見学した。戦国時代から戦略的に重要な地点であり、江戸時代は幕末まで大垣藩10万石の居城であった大垣城、その歴史や遺構について知ることができ、当時の大垣城(平城)の広さを感じることができた。
大垣船町川湊(国名勝):2グループに分かれ、鈴木会長の案内・説明で、芭蕉翁と木因翁像の辺りから句道標、高橋(蒸気船が通ったため高い橋になった)、住吉燈台、住吉橋と順に巡った。おくのほそ道風景地の風情を味わうことができた。
奥の細道むすびの地記館:シアターで映像を視聴。大垣市の山﨑学芸員の展示説明を受けながら芭蕉館を見学した。出発の地「千住」、むすびの地「大垣」を中心に、舟を使ったこと、それぞれの芭蕉の句について詳しく教えていただいた。記念館の見学が終わった頃、雨が降り出し、少し濡れながら玉子屋本店に向かい、美味しい料理をいただいた。
お茶屋屋敷跡(県史跡):鈴木会長の案内で手入れの行き届いた広い敷地内を見学した。1609年に徳川家康が上洛のための休泊地として、岐阜城の建物61棟を移築し、城郭形式で造られたところで、土塁や空濠の一部を見ることができた。
昼飯大塚古墳(国史跡):大垣市の田口学芸員に、古墳の立地、遺構や遺物、埋葬主体について説明を聞き、岐阜県最大の前方後円墳の昼飯大塚古墳について多くのことを学ぶことができた。実際に見学することで、調査から整備まで長年にわたる大垣市の文化財保護のありようを感じることができた。




